「ここで開業できませんか?」
「V・drug 木曽川店」を逆指名。
研修医時代に精神科医療に興味を持ち、同時期に知人の紹介で尊敬できる先生と出会い、その道へ進みました。当時の勤務先が統合のため数年後に閉院する話が出て、それなら開業しようかなと。その病院から比較的近く患者さんが来られる想定で、駅近の広い駐車場がある物件を探したら「V・drug 木曽川店」を見つけました。「V・drug」に連絡すると、開業支援に力を入れていくために制作したWEBサイトへのお問い合わせ第一号でした。2021年の秋頃から1〜2カ月ペースの打ち合わせで2年後の開業に向けてのんびり準備し、オープンの半年前から内装が始まり一気に進行。「V・drug」の担当者さんには地主さんに許可を得るところから既存のドラッグストアの一角をクリニックの区画にして調剤薬局を併設する社内調整まで、僕の負担を最小限に抑えて立ち回っていただきました。区画が決まっているので必然的にレイアウトは制限されましたが、男女別のトイレを設ける要望も叶い、設計士さんがうまくデザインしてくださって大満足。快適に仕事をしつつ、自分の空間ができたことを嬉しく思います。
開業前後で大変だったこと、
やってみて良かったこと。
インターネット回線工事の配管が計画通りに通らず、開通したのは開業1週間前。研修が始まった頃に電子カルテの予行練習ができず、ヒヤっとしました。開業直後は「もっと準備しておけば良かった」とすごく思いましたが、1年ほど経った今では開業時のいい思い出くらいになっています。スタッフは前の病院から一緒に移った同僚の常勤事務1人と、看護師の妻という気心の知れた頼り甲斐のある人たちなので、人事労務のストレスはありません。開業された他の先生方に「雇用は一番大変」という話を聞いていたので、その苦労は極力減らしたいと思っていました。日々の中で思いがけないアクシデントはいろいろと起こります。夕方になると駐車場が混雑するため、クリニック専用駐車場を用意して、影響を避けるように診療時間を調整しました。診療時間は開業時から変則的だったので最初はわかりづらいと反対を受けましたが、慣れてくると患者さんはさまざまな時間帯から生活に合わせて選べますし、自分も通勤時の渋滞を避けられるメリットがありました。平日に1日休みを取るクリニックはよくありますが、当初からの計画で水曜午後から木曜午前までを休診に。翌日朝から仕事がある・ないでは前日夜の気持ちや過ごし方も変わりますし、小旅行にも出かけられて充実しています。
自分のクリニックだから、
自分のやりたいスタンスで。
1番大事なことは、自分が思う適切な精神医療をいかに行うか。なかなか理想通りにはいきませんが、患者さんにとっても自分にとってもいい診察ができたとか、通院の中で快方に向かう様子を感じ取れることで日々のやりがいは得られています。サービス面を重視する方が患者さんの受けも良いし、口コミの評価も上がって流行るのではないかと思いますけど、自分の方向性としてはちょっと違うような気がして。より多く集患して回転率を上げるよりは、少し余裕を持って診療できるといい循環が生まれるかなとも思います。メンタルクリニックの特性上あまり目立たないように始めて、集患の安定化は3年計画で遠方の方にも知っていただく方法を検討中。一般精神科の他、得意な老年精神科で日常的な認知症のフォローなどができるように、高齢者の方に向けた看板を立てました。思った以上に出費は多く、それを15年、20年続けていくことを考えると、まだまだ先は長いです。勤務医時代に比べて、軌道に乗るまで見かけ上の収入は大幅に下がると思っておいた方がいいです。昔の開業医の先生たちほどいい時代では全くなくて、むしろ相当厳しい時代。建築費なども高くなっています。収益や返済を考え過ぎて焦る気持ちで仕事はしたくないなと。初期投資が少なくて済む科だったことは助かりました。「V・drug」の担当者さんの利益最優先ではない姿勢もとても好印象でした。「自分はこういう風にやりたい」という覚悟とビジョンを持ってやれば、それを応援するかたちで協力してくれますよ。